島崎今日子【この国で女であるということ】
この国で女であるということ | |
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島崎今日子〔著〕 出版 筑摩書房(ちくま文庫) 発売日 2006.11 定価 \819 (本体 : \780) ISBN 4-480-42282-X bk1で詳しく見る |
桃井かおり、林真理子、大竹しのぶ、田辺聖子ら、21人の「女」たちの姿を通して、この国で「女」として生きるとはどういうことかを探る。『アエラ』に連載された「現代の肖像」を単行本化。
登場人物は、桃井かおり・北川悦吏子・一条ゆかり・扇千景・林真理子・たかの友梨・白石加世子・中島みゆき・天海祐希・坂東玉三郎・大竹しのぶ・田岡由伎・山本文緒・藤間勘十郎・重信メイ・辛淑玉・山本容子・桂あやめ・田嶋陽子・田辺聖子の20名。それぞれ「欲望」「表現」「母の娘・父の娘」「闘い」というジャンル分けがしてある。この20名がどのジャンルにはいるかは、およそお判りいただけるのではないか。
好きな人もいれば、大嫌いな人もいる。それが島崎の筆にかかると、どの人も生き生きと素敵に見えてくるから不思議だ。
というように、かなり個性の強い女性ばかりが登場する。
本書は2001年に親本が出て、今年文庫化された。しかし内容は、インタビュー記事の出たころのままである。文庫化に際してあまりにも情況が変わった人を省き、新たに4名を追加したという。紹介文と実際の人数が違うのはそのためである。
したがって一番古いものは、1992年2月11日の田嶋陽子であろうか。
また、先日読んだ山本文緒も登場しているのには驚いた。
坂東玉三郎については、偶然ネット上で本文を読んだ。その一文で島崎に惚れ込んだ。それまでも新聞のテレビ評を面白く読んではいたが、こうした 対象を見つめる目を持っている人だと知った。
天海祐希の稿は、とりわけ興味深かった。天海を知ったのは殆ど退団間近だったが、この記事をリアルタイムで読んでいたら、天海追っかけになりヅカファンになっていたやもしれぬ。
いずれも、この国で女として生きていく上の苦労とある意味喜びのない交ぜになった様々な人生を知ることが出来た。だが勿論、島崎の筆はすべてを語っているわけではなく、そのむしろ抑えたところを読み取るのも一興かとも思う。
この国で女であるということ
2006年11月10日第1刷発行
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