◆高田崇史【QED 式の密室】
QED式の密室 | |
高田 崇史〔著〕 出版 講談社(講談社文庫) 発売日 2005.3 定価 \440 (本体 : \419) ISBN 4-06-275026-0 bk1で詳しく見る |
密室で遺体となって発見された陰陽師の末裔。式神を信じるその孫は他殺説を唱えるが…。晴明伝説の闇を照らし、陰陽師にまつわる謎を完膚なきまでに解き明かす。
平安時代には、魑魅魍魎が街中を跋扈していたのか?
平安貴族たちにとって、五位以下は人でないという指摘は、ある意味衝撃的である。学校で歴史を学ぶとき、どうしても政治を動かした人物やエリート階級の文学が中心になる。学ぶものも、ともすれば自分をその視点に置いていないだろうか。
地名の由来の一つに、ショッキングなものがあった。随分いい加減な付け方をされたものだ。
本書は他のシリーズより短い故か、解りやすかった。崇の蘊蓄もくどくなくてよい。
親本は講談社ノベルス創刊20周年記念で、本編が封印された「密室本」だったという。そのせいか、いつもは奈々が勤務する薬局店主の蘊蓄から始まってかなり鬱陶しいのが、今回は崇、小松崎、奈々の新年会のシーンから始まっているのも、新鮮な感じがした。
各章は赤い思惑・白い妖狐・黒い諒闇(ものおもい)といった和名が付けられているのだが、それにレッド・アイやホワイト・レディ、ブラック・ヴェルヴェットといったカクテル名が振ってあるのも一興か。
QED式の密室
2005年3月15日第1刷発行
2006年10月16日第4刷発行
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