山本文緒【きっと君は泣く】
きっと君は泣く | |
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山本 文緒〔著〕 出版 角川書店(角川文庫) 発売日 1997.7 定価 \546 (本体 : \520) ISBN 4-04-197003-2 bk1で詳しく見る |
初めての作家。恋愛小説が多いようだが、62年生まれだという。
親本の出たのが93年だというから、かなり以前の話だが、現在こそこういう展開がありそうな気がする。
23歳の椿は、祖母に憧れていてそういう風にありたいと思っている。
しかし、徐々に歯車は狂っていって、次第に真相が明らかになってくる。
23歳といえば、まだまだ若輩だ。それが、人生に達観したような老成?したような印象を持ってしまう。それは決して良い意味ではないのだが。
途中、すこしだけ田辺聖子さんのOLものを思い出したが、傾向がまるで違う。
タイトルの「きっと君は泣く」の「君」とは誰だろう?読者が感激して泣くということだけはない(そういう人もいるかな)。それでは椿が今に泣きを見るよという意味でもなさそうだ。
あまり読後感がいいとは言えなかった。
最後、椿がバカにしていた母親の勝ち?かもしれない。
余談だが、人はきれいに人生を閉じることが出来るだろうかと、ふと怖くもなった。
15日追記
それでも、看護婦の魚住や儘田の優しさに救われる部分もある。
きっと君は泣く
平成9年7月25日初版発行
平成18年7月15日35刷発行
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コメント
名前が広く知れた(と思う)という意味では、テレビドラマにもなった「恋愛中毒」(薬師丸ひろ子主演)が思い出されますが、あまりに怖くてちょっとなあという作品ではありました。どの作品もちょっとドロドロしたところがあって重い傾向があるようには思います。「ブルーもしくはブルー」なども NHK でドラマになりましたね(こちらは稲森いずみだったか?)。
「群青の夜の羽毛布」などは考えさせるものもあったかなと記憶しています。
投稿: ムムリク | 2006.12.17 12:06
ムムリクさんは、よく読んでいらっしゃるのですね。
∥どの作品もちょっとドロドロしたところがあって重い傾向があるようには思います
そうですか。ドラマも観たことがなかったです。
偶然、他所で名前を見る機会がありました。また書きますね。
投稿: 涼 | 2006.12.18 14:22