武士の一分
昨日書いた「秘剣秋風抄」の最後に収録されていたのが、映画「武士の一分」の原作。
この短編集を読んで思ったのだが、すべて細かい経緯などは省いてある。したがって、そこは読者の想像に任せられるわけだ。
これまでにも山田監督は藤沢作品を取り上げておられるが、それらは短編を幾つか集めたものだった。今回はこの「盲目剣谺返し」一つが題材だったという。
例えば、最後に徳平が加世を連れて戻るところ。だが、どのようにして加世を見つけ出したかは、一切省略されている。読者は想像するだけだが、映画では特兵が徳平が加世が墓参りをするところをつけるといった形で具象化されていたとか。
面白い題材は、読者や制作者の想像を膨らませ、次の優れた作品を生み出す。
藤沢氏自身、子どもの頃小学校の校庭で見た映画が忘れられなかったという。郷里の言葉とこうした体験がルーツとなって、先の作品集が生まれた。
映画をご覧になった方、補足など頂ければ嬉しゅうございます。
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