仙人の暮らし
「海の仙人」の追記的なこと
銀座のデパートで店員をしていた29歳の河野勝男は、宝くじで3億円当たった。当初は開発途上国へ寄付をしようかと思ったのだが、それで自分が本当に満足できるとは思えず同僚の片桐に相談する。片桐は、自分のために使えと言いきる。
勝男は会社を辞め、敦賀に来る。そこで古い造りの平屋を買う。玄関を入るとすぐ台所で、そこを通らないと奥の部屋にもトイレにも行けない。後に恋人となる中村かりんは建築設計に携わっているが、勝男の部屋を懐かしがる。
一部屋には海の砂を敷いて暮らしている。海へ出て魚を釣り、釣れたら料理し、洗車をして一日が暮れる。定期的にトラックで砂を入れ替えるのも仕事だ。
別にアパートを2件持っている。しかし家賃がある程度まとまると、フォスター・プランに寄付をしてしまう。
こんな仙人暮らしに憧れる。
しかしこの若者に対する世間の評価は厳しい。何もせず、ブラブラしていると映るのだろう。
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