東野圭吾【手紙】
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東野圭吾〔著〕 出版 文藝春秋(文春文庫) 発売日 2006.10 定価 \620 (本体 : \590) ISBN 4-16-711011-3 bk1で詳しく見る |
兄は強盗殺人で服役中。その時、弟は…。断ち切られた兄弟の絆。希望なき世界を彷徨う人生。いつか罪は償われ、傷は癒されていくのだろうか。
昨年読んだ本。丁度映画化が話題になった頃か。
自分のために兄が殺人を犯した。といってしまっては違うかもしれない。しかし、自分を進学させるために盗みに入った家で結果的に殺人を犯してしまった兄。その兄を理解しようとしても、弟が岐路に立つたびに、兄のことが妨げとなる。
そんな兄は、ただひたすら弟に手紙を書き続ける。愚直と言えるようなその内容。
しかし、弟はついに兄と訣別することを選ぶ。自分だって幸せになりたいのだ。
本よりも映画の方が泣けると言った人がいた。
しかしそうした感情移入をしたとしても、人は自分がこうした人たちと温かく交わることが出来るだろうか。娘の親が、相手の家族のことを気にかけるのはあたりまえかもしれない。
本書を読んでいるときには切なくて困ったが、かなり日も経ってしまった今、その時の気持ちはかなり客観的になっている。
手紙
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コメント
私も昨年読みました。確か泣いた覚えが・・・(^^;
>しかしそうした感情移入をしたとしても、人は自分がこうした人たちと温かく交わることが出来るだろうか。娘の親が、相手の家族のことを気にかけるのはあたりまえかもしれない
私も実際自分の娘がと考えると、正直なところ反対してしまうと思います。
だからこそ、こういう小説で犯罪を犯す愚かさを感じてほしいと思います。
投稿: ぶんぶん | 2007.03.10 20:04
ぶんぶんさん、こんばんは。
∥だからこそ、こういう小説で犯罪を犯す愚かさを感じてほしいと思います。
そうですね。実際にこうした兄弟もいるでしょう。そんな場合、他に選択する道はないかとか相談する人とか、色々考えることの大切さを思います。
映画では多分演じる俳優に感情移入して泣けると思うのです。でも、こんな悲しいことが起きないようにと、心から思います。
投稿: 涼 | 2007.03.10 20:47