東野圭吾【宿命】
宿命 | |
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東野 圭吾〔著〕 出版 講談社(講談社文庫) 発売日 1993.7 定価 \650 (本体 : \619) ISBN 4-06-185444-5 画像はAmazonからbk1で詳しく見る |
先週の土曜日、移動する乗り物の中で読了。帰途は回り道をした。
東野作品はあまり数を読んでいないが、読み始めると止まらないものもある。「白夜」は持っているが、読み出すのが怖い。
さて本書はかなり初期の作品で、小学校からのライバル同士であり、長じてからは被疑者と刑事として対面し、しかもその相手の妻は初恋の人であるという設定。
こうした要素と殺人事件を絡ませながら、しかし著者が描きたかったのは単なる謎解き・ミステリーでは無い部分だという。
それは成功していると思う。
もしかしたらあり得たのではないかという、恐ろしい実験を扱っている。
殺人事件の犯人捜しでの決めては、少々強引な感がある。『客用のお茶が足りなくて、買いに行った』というところ。あれ?と思ったので印象に残っている。刑事部屋での名前を省略しての会話で、これを思い出してしまった。やはり不自然ではなかったか。
夏木静子の作品に、手を付け替えた画家の話があったが、それを思い出した。
いやそれは、次作「変身」に期待したい。
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コメント
数年前に読みました。
当時、東野圭吾を知って気に入ったので、次々に読んでいました。
私には、ミステリーとヒューマンの加減がちょうどいい感じなんです。
何故か、本格推理は駄目なんです。
変身も分身も面白かったですよ。
投稿: Tompei | 2007.03.01 11:33
Tompeiさん、こんばんは。お近く?にいますよ。
かなり前の作品なのですね。この作品から、変身や分身へ続いていくのだとか。楽しみです。
東野圭吾は、あまり好きに慣れない作品(犯人捜しとか)もあったのですが、それでも惹かれる作家の一人です。
∥ミステリーとヒューマンの加減がちょうどいい感じなんです
これ、わかります。一時は本格ものを毛嫌いしていた 涼でした。
投稿: 涼 | 2007.03.01 22:41