◆森博嗣【四季 秋】
四季 秋White Autumn | |
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森 博嗣〔著〕 出版 講談社(講談社文庫) 発売日 2006.12 定価 \620 (本体 : \590) ISBN 4-06-275570-X bk1で詳しく見る |
大学院生となった西之園萌絵と、彼女の指導教官犀川創平は、真賀田四季博士が残したメッセージをついに読み解き、未だ姿を消したままの四季の真意を探ろうとする。「すべてがFになる」の真の動機を語る衝撃作。
秋に入って、物語は急速な展開を見せる。すべてが勢揃いした感がある。だが、すでに「四季 冬」を読み終わっているので、もはや混乱を生じている。また、内容説明にあるような衝撃作とも言えないような気がする。
「すべてがFになる」で西之園萌絵が真賀田四季と出会った始めから、Vシリーズで犀川創平の子ども時代すなわち瀬在丸紅子や保呂草が登場する時代へもどり、いままた成長した萌絵や犀川と四季との接点を探る。
時代をクロスさせた壮大なドラマと捉えることも出来ようが、四季(小説)四巻の中ではこの巻が一番面白かったような気もする。
今回は、萌絵が積極的に犀川に近づき、その関係が進展したようである。二人でイタリアまで出かけて行ったり、萌絵が四季を意識するあまり悪夢にうなされたりしたのも、ご愛敬か。
積極的といえば、萌絵は紅子に会いに行っている。このとき紅子は幾つになっているのだろう。この場面で、林もほんの少しだけ登場する。
いいなぁと思ったのが、紅子が萌絵に紅茶を入れたティーカップのこと。売れば何百万円もするカップを使う紅子を見て、萌絵は驚く。その価値を、勿論紅子は知っている。
「これくらいなんです。私の家にあったもので、残っているものは」 「でも、洗って、欠けたりしたら……」 「それが器の本領では?」未来の嫁になるかもしれない娘に一番上等の茶器を使った紅子の心情は、どうだったのだろう?
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2006年12月15日初版発行
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コメント
こんにちは。ご無沙汰しています。
私も四季シリーズの中では秋が一番面白かったです。
この紅茶を淹れるシーン、とっても素敵ですよね。
紅子さんの、モノの価値だとか本質のとらえ方が好きです。
投稿: miking | 2007.03.07 17:01
mikingさん、本当にお久しぶり。
∥紅子さんの、モノの価値だとか本質のとらえ方が好きです。
紅子と七夏の対決を覚えていらっしゃいますか。林と子どものどっちを取るかと言われて、「林のためなら子どもを殺す」と言いきったのね。
その「子ども」が、犀川創平だとは、ちょっと想像し難いのですが。
今年も、京都にいらっしゃいますか?
投稿: 涼 | 2007.03.08 17:04