藤原伊織【てのひらの闇】
| てのひらの闇 | |
![]() |
藤原 伊織〔著〕 出版 文藝春秋(文春文庫) 発売日 2002.11 定価 \660 (本体 : \629) ISBN 4-16-761402-2 |
2人の男の道を決定づけたのは、生放送中のスタジオで発せられた、不用意な、しかし致命的な一言だった。20年後、その決着をつける時が訪れ、1人は自死を、1人は闘うことを選んだ。
再読。それも読了後かなり経ってしまった。
短編集「雪が降る」の中の「紅の樹」を膨らませたような作品だというが、印象はまったく違う。
この紹介文とあらすじは知っているが全部読むのは初めてだと思って読み始めたのだが、そうではなかった。だがナミちゃんの描写も初めて読むような感覚だった。
細部まで覚えている本もあれば、こうした印象しか残っていない本もある。少々情けない思いをする。
現実的ではないが、主人公はかっこいいなと思う。戦うことを選んでその戦が終わったときが実は彼の始まりであるのだが、それは描かれない。
いわば、シェーンの、ギターを抱いた渡り鳥の、淡い恋情も持ったままの別れの、そういったかっこよさであろうか。
だが、現実的ではないこうした生き方を描いたものを読むのも、嫌いではない。題材がというより、小気味よいセリフに惹かれているのかもしれない。
てのひらの闇
2002年11月10日第1刷
2005年10月15日第7刷
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 石田祥【猫を処方いたします。2】(2026.10.05)
- 八木沢里志【ペンション・ワケアッテ】(2026.10.03)




コメント