エド・マクベイン【キス】
キス | |
エド・マクベイン〔著〕井上 一夫〔訳〕 出版 早川書房(ハヤカワ・ミステリ文庫) 発売日 2001.4 定価 \987 (本体 : \940) ISBN 4-15-070804-5 |
美しい人妻エマは突然地下鉄のホームから突き落とされ、次に車に轢かれそうになる。一転、彼女をつけ狙っていた男が射殺体となって発見される。謎が謎を呼び事件は二転、三転する。
久しぶりの87分署シリーズ。シリーズの途中を随分飛ばしたので、キャレラにはもう双子の子どもがいる。
エマの事件と並行して、キャレラの父親殺しの裁判も描かれる。
どちらの事件も、いわばキャレラたちの敗北に終わったようだ。
げに恐ろしいのは、女性である。
地方検事補として初登場のネリー・ブランドの描き方が良い。夜中の2時過ぎに、聴取のためにベッドから出て赴く。服装の描写・きびきびとした態度。いずれも好感が持てる。
警官たちも、被害者・加害者たちも、この大きな人種のるつぼの中で暮らしている。
ふと、同じ街の中華街にいるリディアとスミスとも、もしかしたら接点があるのではないかとおかしな連想をしてしまった。
キス
2001年4月15日発行
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