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2007.06.04

横山秀夫【影踏み】

影踏み
影踏み 横山 秀夫〔著〕
出版  祥伝社(祥伝社文庫)
発売日 2007.2
定価 \670 (本体 : \638)
ISBN   4-396-33329-3

 

十五年前のあの日、男は法を捨てた…。一人の女性をめぐり業火に消えた双子の弟。残された兄。三つの魂が絡み合う哀切のハード・サスペンス。

 

今回の探偵役は泥棒という、ちょっと変わった設定。
「影踏み」とは、自分の影を踏むことだろうか。

 

双子の弟と一人の女性を争った挙げ句、無惨な結末を迎えてしまった15年前。
その弟の声を聞きつつ、降りかかってくる事件を解決していく連作短編集。これまでにない横山作品で、少々意外だった。
決して悪くはないのだが、ワクワクして一挙に読みたいということもない。

 

真壁が出所した3月25日に始まって、暑い夏を過ぎ、秋の風を聞き、冬を越し、翌年の3月19日から始まる事件で終わっている。
七つの作品の中では、五番目の「使徒」がよかった。
刑務所に入っているものの代わりに、親類に引き取られた孤児(実際には母親はいる)にプレゼントを届ける話だ。

 

 

あくまでもクールな修一が、時間を追うに従ってだんだん情にほだされてくる。その辺りから最後までは、一気に読ませる。

 

そして最後には、啓二(弟)が真相を語って消えていく。有栖川有栖の「幽霊刑事」を思い起こさせる結末で、切なかった。

 

 

影踏み 平成19年2月20日初版第1刷発行
平成19年3月25日第4刷発行

 

 

 

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