松本清張【月光】
松本清張初文庫化作品集 4 月光 | |
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松本 清張〔著〕 細谷 正充〔編〕 出版 双葉社(双葉文庫) 発売日 2006.4 定価 \520 (本体 : \495) ISBN 4-575-51066-1 |
河西電気出張所・月光・統監・背広服の変死者の四編収録。
このうち「河西電気出張所」と「背広服の変死者」は、著者自身の少年時代の体験が投影されている。
「河西電気出張所」の少年給仕が使いに出た先で待っている間にむさぼるように小説を読む姿に打たれる。長じて一歩間違えば「背広服の変死者」になったかもしれない著者の、やや自伝的小説だ。
「月光」は、橋本多佳子をモデルにしたもの。これが何故文庫に入っていなかったのだろう。昔読んだ「菊枕」の杉田久女との関係を思い出しながら読めた。
「統監」は、韓国へ伊藤博文と同行した芸者の語りという形を取っている。平易な文章でわかりやすく書く一方、当時の資料をところどころに散りばめてある。
今回はいわゆる推理物はない。編者である解説氏が述べておられるとおり、「人間ドラマを楽しめる作品」ばかりである。
やはり「松本清張は面白い」!
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月光
2006年4月20日第1刷発行
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