金の斧 銀の斧
イソップ寓話あるいは日本の昔話でおなじみの話。
正直なきこりが、自分が使っている大切な斧を泉に落としてしまう。困っていると、泉の主が金・銀・鉄の斧を持ってあらわれ「落としたのは金の斧か?銀の斧か?」と問う。
きこりは、自分が落としたのは金でも銀でもなく、鉄の斧だと答え、三本とも貰えるというもの。
ここでは単に斧という視点だが、少し考え方を変えてみた。
実際きこりは、金の斧を貰っても仕方なかったのではないか。必要なのはよく手入れされた鉄の斧であって、金の斧なら飾っておくしかない(実際に金の斧はよく切れるよというツッコミは、この際断固却下)。
きこりに必要なのは充分仕事をしてくれる鉄の斧だとすれば、きこりはその手入れを、強いられるからではなく必要だからするはずだ。そう、イチローがバットの手入れを毎日必ずするように。ビジネスマンが、自分のキャリアアップをはかるように。
そうした手入れは、いわば仕事をする人にとって(いえ、趣味に生きる人にだって)必要不可欠で、面倒だからとさぼっていれば、たちまち自分にしっぺ返しをくらう。
そして、そうした日常を送っている人こそを、自分は好ましいと思う。
金の斧を持っている人を羨ましいとは思わぬ。
また、趣味でもない鉄の飾り物を磨く必要も感じない。
意識せずして鉄の斧(=自分自身)を磨いている姿が、好ましいと映るのであろう。
金の斧や、まがいものの鉄の置物を、求めたつもりは ない。
過大評価をしたことも、よく見せてほしいと望んだことも、一度もない。
あるがままを、見ていたつもりだったのだが……
| 固定リンク
コメント
test
投稿: 涼 | 2007.07.26 16:19
test 2
投稿: 涼 | 2007.07.26 16:27
test
投稿: 涼 | 2007.07.27 14:52