乙一【きみにしか聞こえない】
君にしか聞こえない |
出版 角川書店(角川スニーカー文庫)
発売日 2001.6
定価 ¥500 (本体 : ¥476)
ISBN 4-04-425302-1
どうやら「角川スニーカー文庫」という中高生向きのシリーズがあって、本書もその一つらしい。
また映画化もされているようだ。
乙一さんの本は、「暗いところで待ち合わせ」しか読んだことがない。日常的にはあり得ないだろう話だが、何となくほのぼのとした読後感を持った。
本屋で偶然見つけた本書は、乙一という名前だけで購入した。中高生向けの本だとは、読み終えて知った。
本書は、3つの短編から成っている。
最初の「Calling You(君にしか聞こえない)」がまぁよかった。
友達が作れない女子高生が、同級生みんなが持っているケータイに憧れている。自分が持つとしたらどんなケータイがいいだろうという空想から、どんどん具体的なイメージが出来上がっていくうちに、そのケータイに実際に電話がかかってくるという話。
その結果、辛い体験をしてしまうのだが、彼女はそれを乗り越えて成長していく。
映画では、公園でおもちゃのケータイを拾うという設定らしいが、頭の中で空想を膨らませていくという本の方が馴染める。
「暗いところで待ち合わせ」もそうだったが、ミステリーとは呼べないものの、そういう要素も少し持っている作品だ。
最後の「華歌」は、登場人物の性別を敢えて間違えるように仕向けているのだろうか?
3編とも、挿絵が少女向きということらしい。
この手の絵は、苦手だ。目が、生きていないのだ。
今月第26版発行とあるが、26刷の間違いではないのか?
きみにしか聞こえない
平成10年6月1日初版発行
平成19年7月10日26版発行
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