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2007.09.26

西村京太郎【北斗1号殺人事件】

北斗1号殺人事件

北斗1号殺人事件西村京太郎〔著〕
出版 講談社(講談社文庫)
発売日 2007.9
定価 ¥650 (本体 : ¥619))
ISBN 978-4-06-275850-5

連休中の旅行、往路で読んだもの。「北斗1号」と書いて、「」と読ませている。
この9月14日発行の新刊ではあるが、1987年10月光文社ノベルスで、1990年には光文社文庫として出ていたもの。

冒頭、

函館の町も、駅も、まだ眠っているようだった。
風見ゆう子は、ぼんやりと、近づいてくる桟橋を眺めていた。
で、始まっている。
青森を出た青函連絡船が、函館へ着く光景である。


東京で借金の保証人になった恋人に去られ、借財を背負ったまま死を求めて北へ旅してきた「第一章 風見ゆう子」の話から始まる。
八章立ての本書は、五つの章までが関係者の名前で占められている。読みながら、これは十津川警部の話ではなかったのかと思ったが、彼は東京での事件も関連する途中から登場してくる。

連絡船で身を投げ損ねたゆう子が北海道で乗ったのが「北斗1号」だが、ここでは事件は起きない。
そこでゆう子が不思議な青年から100万円を貰うことから、話はやや現実味が薄くなる。

次に登場する北海道の列車は、「ライラック13号」。ここで、事件が起こる。
しかしかなり偶然に頼った展開で、ミステリーとしての面白さには ややかけるが、流氷の描写など旅情を誘われる部分は多い。

最初の出版から20年経過して再出版されたということは、いわゆるトラベルミステリーを体験できる面白さからか、今は無き列車なども出てくる懐かしさか。
これらの列車はまだ存在するが、当時そのままではないようだ。

今回の旅行と繋がる部分もある。

あ、「鉄道旅手帳」の新たな使い方が閃いた!


北斗1号殺人事件
2007年9月14日第1刷発行


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