東野圭吾【放課後】
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著者のデビュー作だという。「卒業」よりも以前の作。
冒頭、いきなり頭上からゼラニウムの鉢が降ってくる。直撃すれば……
数日前には、ホームから突き落とされそうになった。プールのシャワー槽で感電死しそうになる。
静かな女子校の数学教師、「私」に襲いかかる悪意。
その「私」を語り手兼探偵役にしているので、他の人物の心理描写などが少々不足気味である。
そうこうしているうちに、いわゆる「密室殺人」が起きる。心張り棒は、外からはかからない。古典的な「ヒモを使って心張り棒を落とす」手法は、否定される。だが……
トリックについては、面白い。
しかし、動機がどうにもやりきれない。
「私」が、刑事大谷に聞かれる場面での大谷の言葉。
「ほんの小さなきっかけで先生のことを見直し好意を持つ人がいるのなら、当然その逆もありうる。つまりほんの些細な事から、先生を憎むということもあるのではないか……」
その逆のパターンが、意外なところに潜んでいたのだ。これは読者には容易に想像がつく。だが、「私」は気付いていなかったようだ。
そして、長い放課後がやって来る……
荒削りだが、最後まで引っ張っていってくれる作品である。
親本が出たのが、昭和60年。20年以上昔だ。当時からもう、女子高校生たちは教師にああいう物言いをしていたのだろうか?
放課後
1998年7月15日第1刷発行
2007年12月3日第62刷
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東野 圭吾〔著〕

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