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2008.04.20

佐藤多佳子【一瞬の風になれ】

一瞬の風になれ1 イチニツイテ

一瞬の風になれ佐藤多佳子〔著〕
出版 講談社
発売日 2006.8
定価 ¥1,470 (本体 : ¥1,400)
ISBN 4-06-213562-0

【吉川英治文学新人賞(第28回)】【本屋大賞(第4回)】サッカーに限界を感じた新二と、やる気のない天才スプリンター連。とくに強豪でもない春野台高校陸上部に入部した幼なじみの2人。それがすべての、始まりだった−。思わず胸が熱くなる、とびきりの陸上青春小説。

珍しく、文庫を待たずに買った。非常にさわやかな本だ。つくづく、自分は こういうのが好きだなと思う。
同じ(中高生の)母親世代が書いた「バッテリー」と違う青春群像。
かといって、葛藤がないかといえばそうではなく、むしろ周りとの違いに悩む高校生を描いている。

新二は、天才的なサッカー選手の兄を持ち、一家を挙げてサッカー家族という家に生まれた。当然のようにサッカーをするものという育てられ方をされ、高校もサッカーの強いところへ行くのが当たり前という家庭。
その中で、兄とのギャップに悩み、違う道を模索する 新二。

物語は、すべて新二のモノローグで語られる。

その新二に、もう一人 ライバルがいた。幼なじみの 連である。これまた天才スプリンター。

新二は、兄の勇姿にみとれ、いままた連の走りに感嘆する。

サッカーではさほど目立たなかった新二の走りだが、結構速い。高校入学後知り合った根岸に誘われて見学に行った陸上部に、新二と連は その日のうちに入部する。

と、ここまでで本書の六分の一ほど。

あとはひたすら、陸上部の練習風景と部員達の交流が描かれていく。
一風かわった、顧問の三輪。それぞれ個性的な、先輩連。


連は嘘のない男だ。友達にも世の中にも、言葉も行動も。ガキっぽくて、やっかいなほど。適当なことも余計なことも一切言わず……。だから、たまにまじめにコメント出されると、心がしんとしてしまうのだ。
「俺はおまえを抜くぞ、いつか」
宣言した。

新二は、連を抜くことができるのだろうか?


絵では非常に薄くて判りづらいのだが、シンプルな表紙が またいい。


09年8月24日、ぶんぶんさんの読書「一瞬の風になれ」に、トラックバックさせて頂きました。


一瞬の風になれ
2006年8月25日第1刷発行
2007年5月24日第11刷発行


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書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

「一瞬の風になれ」のリンク先が「予知夢」になっているようです。

気になっている本なのですが(元陸上としても)やはり文庫待ちになりそうです。

投稿: ムムリク | 2008.04.21 10:41

ムムリクさん

いつもご指摘をありがとうございます。修正しました。

投稿: | 2008.04.21 20:15

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久々に爽やかな小説を読みました。 何年か前に話題になっていて読んでみたかったのだけど、3巻もあるし、もし読み切れなかったらもったいないので文庫になるまで待っていました。本屋で見かけたときは嬉しくて即買... [続きを読む]

受信: 2009.08.24 09:47

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