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2008.05.20

礒のカニ

高く鼻つくいその香に、不斷の花の かをりあり。
なぎさの松に 吹く風を、いみじき樂と 我は聞く。
(文部省唱歌「我は海の子」より)
「いその香(か)に」を「磯の蟹って、なんて言う蟹ですか」と、真面目に?尋ねたという若者の話を聞いた。

この歌に限らず、文部省唱歌や校歌には、聞いただけでは意味の解らないものが多い。

引用したところでも、「不断の花」も「フダンソウ」という「花」だと思っていた。これはさらに、「ヒャクニチソウ」あたりと勘違いしていたのだろう。

この歌の2番に「煙たなびく苫屋こそ」という個所がある。この「とまや」の意味を知ったのも、後年だ。

この歌は昨年、「日本の歌百選」に選ばれたのだったか?
Wikipediaによると、「1947年から現在まで小学校では3番まで教えられている」とある。
まだあるんだ!下のチビさんの教科書を見てみよう。

ところで、7番を見ると

いで軍艦に乗組みて
我は護(まも)らん海の国
とある。
時代を反映しているのだろう。


それで思い出した。
同じく文部省唱歌で、まったく逆の季節の歌に「冬の夜」というのがある。これの2番は、

圍爐裏(いろり)のはたに 繩なふ父は
過ぎし昔の 思いで語る
だった。 母が、本当は『過ぎしいくさの手柄を語る』だと教えてくれたのを覚えている。 続く2行は、
居並(いなら)ぶ子どもは ねむさ忘れて、
耳を傾け、こぶしを握る。
だとすると、変えられた歌のこの部分は何だったか? どうしても思い出せない。

この歌をご存じの方は、少ないだろうな(一度触れたような気もするが……)。



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