礒のカニ
高く鼻つくいその香に、不斷の花の かをりあり。 なぎさの松に 吹く風を、いみじき樂と 我は聞く。 (文部省唱歌「我は海の子」より)「いその香(か)に」を「磯の蟹って、なんて言う蟹ですか」と、真面目に?尋ねたという若者の話を聞いた。
この歌に限らず、文部省唱歌や校歌には、聞いただけでは意味の解らないものが多い。
引用したところでも、「不断の花」も「フダンソウ」という「花」だと思っていた。これはさらに、「ヒャクニチソウ」あたりと勘違いしていたのだろう。
この歌の2番に「煙たなびく苫屋こそ」という個所がある。この「とまや」の意味を知ったのも、後年だ。
この歌は昨年、「日本の歌百選」に選ばれたのだったか?
Wikipediaによると、「1947年から現在まで小学校では3番まで教えられている」とある。
まだあるんだ!下のチビさんの教科書を見てみよう。
ところで、7番を見ると
いで軍艦に乗組みてとある。
我は護(まも)らん海の国
時代を反映しているのだろう。
それで思い出した。
同じく文部省唱歌で、まったく逆の季節の歌に「冬の夜」というのがある。これの2番は、
圍爐裏(いろり)のはたに 繩なふ父は 過ぎし昔の 思いで語るだった。 母が、本当は『過ぎしいくさの手柄を語る』だと教えてくれたのを覚えている。 続く2行は、
居並(いなら)ぶ子どもは ねむさ忘れて、 耳を傾け、こぶしを握る。だとすると、変えられた歌のこの部分は何だったか? どうしても思い出せない。
この歌をご存じの方は、少ないだろうな(一度触れたような気もするが……)。
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