風野真知雄【谷中黒猫殺人事件】
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黒猫に反応して、何気なく買った一冊。
美人姉妹が住む谷中の「猫屋敷」で事件が発生した。 火付け盗賊改方の長谷川平蔵(鬼平)が処理した事件に、「猫屋敷」は関係あるのか――。
奇談集『耳袋』を書き記した赤鬼奉行根岸肥前が、江戸に起きる怪事件の謎を次々解き明かす。
著者の名前ははじめてだが、これはシリーズものらしい。文庫書き下ろしとある。
『耳袋』というのは実在する奇談集のようで、たしか宮部みゆきの小説にも出てきたと思う。
鬼平は亡くなっているが、寛政の改革を行った松平定信も登場。
5話から成る短編集の体裁を取って一話ずつ一応完結させているが、(事件に関係した)登場人物も「猫屋敷」に関連してふたたび出てくる。
表に出てくる話の筋から裏をあぶり出す赤鬼奉行の腕は、鮮やかだ。
正反対の性格である、奉行の家来と同心の掛合が面白い。
江戸の街が活写されているが、悲しいことにピンとこない。.
久々に、東京時代MAPを取り出す。
お江戸オフな皆さまなら、きっとより楽しむことがお出来になるのではと思った次第。
谷中黒猫殺人事件
2007年8月15日第1刷発行
2008年1月20日第4刷発行
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コメント
ご紹介ありがとうございます。
読んでみたいと思います^^
投稿: ぶんぶん | 2008.05.30 07:44
ぶんぶんさん、こんにちは。
どれから読んで見ても、ぶんぶんさんなら楽しんで頂けるのではないでしょうか。
シリーズものだし、地図を見ながらもう少し読んでみようかなと思っています。
投稿: 涼 | 2008.05.30 17:35