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2008.06.22

矢口敦子【償い】

償い

矢口 敦子〔著〕
出版 幻冬舎(幻冬舎文庫)
発売日 2003.6
定価 ¥680 (本体 : ¥648)
ISBN 4-344-40377-0

探偵役は、ホームレスになっている元エリート医師。妻と子を亡くすという過去を持つ。

今は名前を失っているこの日高が流れてきたのは、かつて誘拐犯から赤ん坊を救った少年の住む街だった。
そこでは、ホームレス襲撃や車椅子の女性殺害など、次々と事件が起きる。
偶然自分が助けた少年と出会った日高は、一連の事件の犯人が少年真人ではないかと悩む。自分が救ったがために、彼は凶悪な犯罪者になってしまったのでは……

日高を引き込んで事件の真相に近づこうとする警察官山岸も、なにやら曰くありげだ。
その山岸や、彼の親戚であるナースの三井。彼らもまた、日高が赤ん坊を救った事件の関係者だった。

標題の「償い」は、日高が妻子を亡くしたのは自分のせいではないかと思い悩み、それへの償いをしようとしているというところから。

両親と弟が火事で亡くなってしまい、長男だけが残される。その彼が自分を取り戻し、成長を見せる場面がいい。

人間関係がやや入り組んで、しかもかなり狭い範囲で重なり合っている偶然性が惜しいが、一気に読ませる佳作である。
最終章「生きていていいんだ」は、やや唐突な感がないでもない。

償い
平成15年6月15日初版発行
平成20年4月20日16版発行(版ではなく刷だと思うのだが)


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