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2008.07.16

東野圭吾【犯人のいない殺人の夜】

東野 圭吾〔著〕
出版 光文社(光文社文庫)
発売日 1994.1定価 ¥580 (本体 : ¥552)
ISBN 4-334-71826-4


「小さな恋」が負担になって「小さな故意」を仕掛けた冒頭の「小さな故意の物語」をはじめ、7編の短編集。

昨日書いた大阪嫌いの東京の女性の話は、「エンドレス・ナイト」という。

小さな店で働きながら新体操の練習をしていた少女を描いた、「踊り子」がよかった。この踊り子に憧れる受験生は、最後まで真実を知ることはないのだろう。

他に、継母との複雑な関係に悩む中学生を描いた「闇の中の二人」。アーチェリーに青春をかけた女性の愛と復習を描いた「さよならコーチ」。
二転三転しつつ、「さよならコーチ」と同じく男のエゴを描いた表題作「犯人のいない殺人の夜」など。

何編かは、少年ものとも言える。


受動喫煙が原因で流産した女性が出てくる「白い凶器」は、彼女の死んだ夫の弟の役割がいい。この弟も、少年と言える年だ。


少年ものとはいっても、宮部みゆきの描く純な少年たちとはかなり違う印象を受ける。

初出はそれぞれ、1985年の「小説現代」や「小説宝石」など。といっても、古くささは感じられない。
いわゆる理系ミステリの分野は、最後の元医学生が出てくる表題作くらいだろうか。


犯人のいない殺人の夜
1994年1月20日初版第1刷発行
2007年12月20日34刷発行


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