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2008.09.28

◆高田崇史【鬼の城伝説】

鬼の城伝説

高田 崇史〔著〕
出版 講談社(講談社文庫)
発売日 2008.3
定価 ¥770 (本体 : ¥733)
ISBN 978-4-06-276002-7

岡山県総社市の外れ、鬼野辺家に伝わる釜には、鳴ると主が死ぬという言い伝えがあった。そして、不吉の釜が鳴り、土蔵に長男・健爾の生首が。事件に遭遇した崇は、事件の核心「桃太郎伝説」の騙りを衝く! 「QED」第9弾。

皆さんは、「桃太郎」をご存じですね。

もーもたろさんももたろさん
おこしにつけたきびだんご
ひとつわたしにくださいな
やりましょうやりましょう
これからおにのせいばつに
ついていくならやりましょう
(著作権消滅)

そして、最後の場面は鬼の金銀財宝を積んで、村に凱旋する桃太郎一行。

さて、その鬼は、どんな悪いことをしたのでしょう?


ここから、本書について

いつものように、棚旗奈々は(そしてこのところは妹の沙織も)、出かけた先で事件に巻き込まれる。
総社へ出かけてきて、その歴史的な解説を担当するのは、地元の二人の女性という設定。奈々たちの観光と事件とを交互に語っていく手法も、これまでと同じ。ただ、その事件の関係者の一人が、案内役の女性たちの友人である。

従って、先の二篇(「鎌倉の闇」と「龍馬暗殺」)よりは、多少事件への関わりは深くなる。

そして、頃合いを見て崇(タタル)登場。

「たたら」について触れていたのは、どの話だったか?奈々がよく、「崇が話していたが、忘れてしまった」とつぶやいているが、まさにその通りだ。つながりがあることも、どの本の中のどの話で出てきたのか、よく思い出せない。

古の神話的世界の絵解きにはいつもながらの切れ味を認めても、現代の事件における実行犯の一連の凶行にはどうしても納得しがたい点を感じる向きもあるかもしれない。
という解説氏の言葉に賛意を表するものだが、げに恐ろしきは刷り込み教育と言えるかもしれない。

実行犯もまた、被害者なのだ。


「鬼」に対する認識が変わるかもしれない、という点で評価できるかもしれない。
そして、権力に対する崇のズバッとした物言いは、小気味よい。

鬼の城伝説


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