S・J・ローザン【冬そして夜】
| 冬そして夜 | |
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S・J・ローザン〔著〕直良和美〔訳〕出版 東京創元社(創元推理文庫) 発売日 2008.6 定価 ¥1,365 (本体 : ¥1,300) ISBN 978-4-488-15309-0 |
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タイトル通り、暗く重い一冊。BGMは、バッハ。
11月の深夜、警察署へ呼び出された私立探偵ビル・スミスは、甥のゲイリーと思わぬ再会を果たす。なぜニューヨークへ来たのか話さぬまま、再び姿を消した甥を捜すため、甥一家が住む町ワレンズタウンを訪れたビルと相棒のリディアは、アメリカン・フットボールの盛んな町が抱える歪みと秋分に、否応なく直面するのだった。私立探偵シリーズ第8弾。
高校生は、大人か子どもか?
アメリカで一番人気のあるスポーツは、フットボールだ。そして、フットボールで活躍する選手は、皆の憬れである。
そのことと、何をしても許されるかということは、当然別の次元の問題である。
むしろ、英雄であればこそ身を糺してというのは、大人の勝手な言い分か?
本書ではまた、ビルの甥が係わった事件ということで、否応なく彼の過去にまで触れられている。
なぜゲイリー(甥)の父、ビルの妹の夫はこれほどまでビルを嫌うのか。これまでビルが過去の話をしなかったのは、何故か。
自分の若い頃を見るような思いで、ビルはゲイリーを案じ、探し続ける。
事件が一応の解決を見たとしても、街は変わらずフットボールを崇め続けるのかもしれない。ちょうど、22年前の事件が尾を引いていたように。
そうした暗い背景にあっても、ビルとリディアのかわす会話の、何と洒落ていること。
彼らの関係に、多少の進展が見られるのか。
2003年度「アメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀長編賞」受賞
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