2008.11.04
星新一【ノックの音が】
ノックの音が |
星 新一〔著〕
出版 新潮社(新潮文庫)
発売日 1985.9
定価 ¥380 (本体 : ¥362)
ISBN 4-10-109833-6
サスペンスからコメディーまで、「ノックの音」から始まる様々な事件。意外性あふれるアイデアで描くショートショート15編を収録。
ちとワケありで、読んだ本。
「ショートショートの神様」星新一は、本書の刊行時である20年以上前に読んでいた。
今読んでも、あまり古くささは感じない。
それは、著者の表現上の心づかいの賜だろう。安心して笑って読めるものが多い。
一つだけ、ネタをばらしておこう。
【和解の神】
些細なことからケンカをして、夫の「出ていけ」という言葉に妻が家を出て行った夫婦。
性格が似ている二人は、どちらも自分から謝るのが嫌で、事態はなかなかよくならない。夫は、ただ神に祈るのみ。
そんな時、夫のところへ妻から手紙が届いた。自分が悪かったと謝り、新婚旅行で泊まったホテルで再会しようという誘いだ。
夫は誠意を見せるため、約束の時間より早く着いて、妻を待つ。
やがて、ノックの音と共に妻が現れる。
すっかり仲直りした二人だが、妻のところへも夫からの和解の手紙が来ていたという。夫は、神に祈ったからではと思う。
実はそれは妻の策略で、夫に手紙を出すと同時に、夫の名前で自分宛にも出していたのだ。
双方のプライドを尊重しつつ、円満解決!
ノックの音が
昭和60年9月25日発行
平成18年3月20日21刷
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コメント
こんばんは。
星新一さんのショートショートが大好きで、ヒマを見ては買いあさってます (^^;
『ノックの音が』ももちろん持っていて読んだハズなんですが、どんな話が収録されていたか覚えていません・・・
(なので、何度読んでも楽しめてイイんですケドね(笑))
古くさいどころか、今現在のことを書いているのかと思う作品も多々ありますよね。
星先生も手塚治虫先生も、ある意味予言者!?
投稿: アリス | 2008.11.05 01:05
ご存知かもしれませんが、NHK で「星新一ショートショート」という 10 分番組を放送していまして、これがなかなかよいです。
投稿: ムムリク | 2008.11.05 17:28
アリスさん、こんにちは。
楽しい連休を過ごされたことと思います (^_^)
この本は、全作品の冒頭が『ノックの音がした』で、始まるのですよ。
ですから、すべて室内での出来事ね。
∥星先生も手塚治虫先生も、ある意味予言者!?
言えてる、言えてる!
投稿: 涼 | 2008.11.05 17:33
ムムリクさん、お久しぶりです。
∥NHK で「星新一ショートショート」という 10 分番組を放送していまして、
いやー、全然知りませんでした。
ご紹介、ありがとうございます。
投稿: 涼 | 2008.11.05 17:36
涼さん、ムムリクさん こんばんは。
> 「星新一ショートショート」
見てますよ~ (^o^)
でも、10分番組なので、つい忘れてしまうときが・・・
『ノックの音が』は、むか~しラジオで朗読しているのを聴きました。
男性の方の淡々とした声が物語と合っていて、シーンを想像しながら聴いたものです。
投稿: アリス | 2008.11.06 21:57
アリスさん、こんばんは。
∥『ノックの音が』は、むか~しラジオで朗読しているのを聴きました。
これくらいの長さ(短さ)だったら、省略することなく全部読めますね。
出だしが、難しいかなぁ。
投稿: 涼 | 2008.11.07 17:39