◆有栖川有栖【女王国の城】
女王国の城 | |
有栖川有栖〔著〕 |
【本格ミステリ大賞(第8回)】大学に姿を見せない江神を追って信州入りした英都大学推理研の面々。「城」と呼ばれる新興宗教の総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず連続殺人事件に遭遇し…。江神シリーズ第4弾。第4弾とあるが、第5弾はあるのか?
それぞれの部分は面白かったのだが、何しろ長い。もう少し冗長な部分を切り詰めて描くわけにはいかなかったのだろうか。
江神ものは、これを含めて4編とも、山の中であったり(月光ゲーム)、孤島であったり(孤島パズル)する。
今回も、村に閉じこめられるという、二重の密室だ。
本書で描かれた謎は、三つ。
まず、連続する殺人事件の犯人は?
総本部は、なぜ警察に届けないのか?
江神は、どういう目的で神倉村に入ったのか?
事件の犯人は、判りっこない。
江神の目的も、最後にさらっと触れられているだけ。
だが、総本部の決心については、西塔の様子からして想像がつく。
途中の冗長さに比べて、最後があっさりと終わりすぎ。
江神がなぜ 村へ来たのか、そして江神の影ある過去はどうだったのかの描き方があまりにもあっさりとしていて、こんなに長く引っ張ってきた意味がないのではなかろうか。
それにしても、江神の過去が明らかにされたということは、やはりシリーズはこれで終わりなのだろうか?
女王国の城
2007年9月28日初版
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