ホームレス短歌
秀歌連発のホームレス歌人へ 「連絡とれませんか」(asahi.com)
毎週月曜日の楽しみは、歌壇・俳壇欄だ。
20年ほど前から、長尾幹也さんの歌が好きでいつも探している。書いたかと思うが、アメリカの獄窓から投稿している郷隼人さんの歌にも惹かれる。
そんな中、いつの頃からか「ホームレス」という住所の方の投稿が載るようになった。
(上記記事によると昨年12月8日からのようだ)
その日の歌『(柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ』
今日の朝刊には、その公田耕一さんのことが掲載されている。選者が「真に迫る、知的な歌」と注目したという。住所明記の規定にも、「ホームレスという立場が現にある」ということで投稿を排除しないことにした。
『パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる』(1月5日)には、公田さんを案じる他の方の歌も掲載されてきた。
『親不孝通りと言へど親もなく親にもなれずただ立ち尽くす』1月26日のこの歌は、三人の選者に選ばれている。
記事掲載の歌より
鍵持たぬ生活に慣れ年を越す今さら何を脱ぎ棄(す)てたのか(12月22日)
美しき星座の下眠りゆくグレコの唄(うた)を聴くは幻
百均の「赤いきつね」と迷ひつつ月曜だけ買ふ朝日新聞
今日の掲載歌
『哀しきは寿町と言う地名 長者町さえ隣にはある』
消印は、横浜だという。
記事は、
公田さん、何とか連絡がとれませんか。あなたが手にすべき入選一首につきはがき10枚の“投稿謝礼”も宙に浮いているのです。という言葉で、結ばれている。
歌壇だけでなく、この記事もご覧になりますように。
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コメント
読みましたこの記事。カップ麺を我慢して新聞・・、読み捨てられたのを拾ったり図書館じゃなくて朝一番に買って開くんでしょうね。
清貧という言葉なんかでは表しきれないのでしょうけれど、希望というか楽しみを持って生き抜いて欲しいですね。明日はわが身かもしれない時代ですから。
投稿: 惑 | 2009.02.17 00:31
惑さん、こんばんは
∥カップ麺を我慢して新聞・・
この歌に、一番惹かれました。
単なる同情などすることの許されないような、しっかりした矜持をお持ちなのだと思います。
ではあっても、幸せを見つけていただきたいですね。
投稿: 涼 | 2009.02.18 00:45