三回忌
古くからの友が逝って、二年になる。
以前在籍していたグループでの、先輩だった。心通じることの多い方だったが、自分は彼女とも別れて、違う道を選んだ。
家が比較的近かったからか、時折バスで出会った。彼女からはいつも、そのグループへの歯がゆさが語られた。
「そしたらご一緒しましょうよ」と、何度か言いそうになったが、彼女は彼女でそこでの役割から逃れられなかったのだろう。
先日、そのグループの、自分がいたころの後輩でもある現在の代表と会う機会があり、彼女の話になった。
闘病中の彼女は、それと知らせず、何年間も後輩たちを支えてきたという。
「ご一緒にいながら何も気付かなかったことが悔やまれる」と、シミジミと語ってくれた。
まだ還暦までに間がある彼女の死は、自分にとって衝撃だった。
凜としていて優しく、自分のことは多くを語らず、周りから慕われていた。
自分を隠すというのではない、過剰に自己を語らないその姿勢を、いつも好もしく思っていた。
そうした生前の様々なことが、思い出されるここ二三日である。
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