芦原すなお【青春デンデケデケデケ】
私家版青春デンデケデケデケ | |
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第105回前期直木賞と第27回文藝賞 受賞作 とは別の、私家版である。
受賞作は、これの半分くらいに縮めてあるらしい。その分、すっきりしているのだろう。本書は逆に、少々くどいところがないでもない。
だが、著者の愛する故郷での青春時代を、愛する讃岐弁で書いた、初々しい作品だ。
ロックバンドを作った高校生とその周辺の人たちといった登場人物もそれぞれ個性的である。
そして、随所に出てくる、当時流行ったロックの数々。これはもう、それらを知っているものたちの郷愁を呼ばずにおれようか。
巻末には、曲名の索引まで記載してある。
幾つかのエピソードの中で、音楽の佐藤先生がよかった。
大林宣彦監督で、映画化もされているし、そういえば何となく、覚えがある。
題名が「デンデケデケデケ」でなく、「テケテケテケテケ」だったら、もしかしたらもっと早く読んでいたかもしれない。「ミミズクとオリーブを読んで、はじめて著者を知った次第だった。
たくさん出てきた曲の中で、やはりベンチャーズの「ダイヤモンド・ヘッド」は好きだし、「ロック・アラウンド・ザ・クロック(註)」も、よく口ずさんだ曲だ。
(註)映画「暴力教室」の主題歌
私家版青春デンデケデケデケ
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