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2009.06.20

芦原すなお【嫁洗い池】

嫁洗い池

芦原すなお〔著〕
出版 東京創元社(創元推理文庫)
発売日 2003.5
定価 ¥630 (本体 : ¥600)
ISBN 4-488-43002-3

作家のぼくの家にいつも押しかけてくる悪友・河田警部の目的は、妻の料理と難事件への鋭いヒント。女子大生失踪、密室殺人、不審な病死…。料理名人のキッチン・ディテクティブの推理とは? 「ミミズクとオリーブ」の続編。

今回は、全編河田刑事が持ち込んだ事件ばかり。(この刑事が持ち込むのは、事件ばかりではなくボクの郷里讃岐のおいしい食材もであるが)
表紙絵は、河田が持ち込んだのではない郷里の伯母さんが送ってくれた牛肉を使ってのバーベキュー風景だろう。

その河田刑事が話す事件を、ボクの妻が絵解きする。自身は家から動かず、ボクに現場を検証させて、推理を完成させる。

また、この河田刑事が毎回転勤しているのも、ボクの日常が極めてぐうたらで仕事がはかどっていないのも、同じ設定。

最後に事件の顛末をボクに語ってくれたあと(そしてそれは、たいがい夕食後なのだが)、庭のオリーブの木にやってくるミミズク夫婦にその時々のえさを与える。

ちょっとマンネリ化しそうなところで、その奥さんが同窓会に行って留守になるという話を一つ入れている。奥さんは、電話で河田に指示をして解決に導く。

そういえば、前作【ミミズクとオリーブ】でも、本書とは逆にボクが同窓会で郷里に帰り、具合が悪くて東京に残った奥さんに電話で解決策を聞くという話があった。
もっともそれ(「おとといのおとふ」)は、【ミステリのかげにペットあり】にも収録されていて、そちらで読んだのだった。

その「ホームカミング」では、むさ苦しい中年男二人がプリクラをしている場面があって、その姿を想像すると、笑えて笑えて仕方なかった。


他の収録作品
「娘たち」

題名を見ただけで、ホームズの作品が想像できる(そしてまたその通りの)「まだらの猫」

「九寸五分」とは、事件で使われた匕首のこと。

ボクが見た夢がヒントになって、『はいかぶり』から事件を解決に持って行く、「シンデレラの花」。ここでは、その『送り花』の描写がよかった。


「嫁洗い池」は、幼い頃の体験から妄想を抱くようになった気の弱い容疑者が哀れ。だが、両親に封じられたその体験についての解説は、結局無かった。


「青春デンデケデケデケ」は著者の体験かと思っていたのだが、本書の解説によると、著者は舞台の袖で照明係をしていたのだという。


次の【我が身世に降るじじわかし】も注文しているのだが、こういうシリーズ物は三冊が限度かな?
嫁洗い池


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