新井淑則【全盲先生、泣いて笑っていっぱい生きる】
新井淑則〔著〕
税込価格: ¥1,575 (本体 : ¥1,500)
出版 : マガジンハウス
サイズ : 19cm / 215p
ISBN : 978-4-8387-1959-4
発行年月 : 2009.3
「弱虫でも、どん底でも、必ず夢は叶う」 両目を失明し、絶望の淵に立った中学校教師。家族や周囲の人々に支えられ、奇跡の復活! 見えないからこそ見えた、人生の「本当のこと」。
NHK土曜ドラマ「チャンレンジド」の原作。
やはり、本とドラマとはまったく別物である。
本書では、著者が網膜剥離になってからの苦労とその克服について、よりスペースが割かれている。
文字どおり、絶望に泣いた日々。そこから少しずつ希望を取り戻す過程が、時間を追って詳細に書かれていく。
自分一人が不幸だと思っていた頃から、傷害を得たことで見えてきたものについてなど。
両目とも失明してから、国立リハビリテーションセンター(国リハ)で訓練を受け、さらに居住地の埼玉県のリハビリセンターで厳しい訓練を受ける。
そして盲導犬を貸与されて、しばらくは休職するまで勤めていた養護学校で復職訓練を受けた後、教職に復帰する。その後、盲学校へ転勤する。
県で一つの盲学校への通勤はかなり厳しく、毎日見ていた駅員始め多くの人の尽力で、中学校へ勤務することになったのだ。
中学校では、国語の教師たちがチームを組んで教え方の工夫をし、また生徒たちも傷害のある教師を素直に受け入れている。
ドラマのように波瀾万丈の方が、周りの理解が進んでいく様子などドラマチックになるのだろう。
しかし、現場の先生方や生徒たちに失礼ではないだろうか。
国語の教師の筆になるだけに、読みやすくお薦めの本である。
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