ものを捨てるということ
もうかなり以前のことになる。
Tシャツを探しに、スーパーへ行った。普段、Tシャツは着ない。パジャマ代わりにしているのだ。従って、楽に着られることが、一つの条件になる。
イメージしていたものがあったのだが、店員さんはそこにあるものだけだと言う。だが、そこへ通りかかったベテランらしい店員さんが、売り場へ案内して下さった。思った通りのものがあったのでお礼を言うと、ほほえんで去っていらっしゃった。
それを着るたびに、何となく、名前も知らないし、顔も覚えていない、その店員さんを思い出す。いや、彼女個人を思い出すというよりは、その接客する姿勢を思い出すと言った方がいいだろう。
2枚購入したのだが、毎日着ている内に当然古びてくる。着なくなってからも捨てるのが忍びなくて、そのまま置いてあった。目に触れるたびに、上記のことを思い出す。
だが、やはり捨てる対象ではある。
しかし、目の前からなくなってしまうことは、その思いまで消えてしまうようで、いまだ決断出来ないでいるのだ。
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