阿修羅と再会
はじめて阿修羅に会ったのは、高校生の頃だった。
写真で惹かれて、ついに実像?に会いに出かけたのだった。
当時は、国宝館におわしたのではなかったか。そして、日を決めての特別拝観などではなかった。
入り口を入ると、多分十大弟子像や八部衆が順に展示されており、阿修羅は少し奥まったところにいらした。
周りには人がおらず、すぐ下から静かに眺めることが出来た。
長い時間、ボーッと見上げていた。
今年、阿修羅像は東京・福岡と廻り、多くの人に注目された。
帰奈した八部衆を「お堂で見る阿修羅」と題して、釈迦三尊と一緒に仮金堂での展示である。
初日の10月17日は、「長蛇の列」だったとか。
入るまでだけでなく、お堂の中でも、係員が必死で「留まるな」と繰り返している。静謐とはほど遠い、展覧会のような雰囲気であった。
お釈迦様を後ろに、堂の真ん中に立っている阿修羅が、何故かいたわしく感じるのだった。
外で待っているときには汗ばむような陽気だったが、堂から出ると雲が広がり、ポツンと降ってくるものがあった。
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コメント
ご覧になられたんですね^^
>係員が必死で「留まるな」と繰り返している。静謐とはほど遠い、展覧会のような雰囲気であった。
それでも上野に比べるとずっとましだったんですよ^^;上野はあんなもんじゃありませんでした。
仏さんたちも大変です。
最近ブームでね。人がそれだけ何かを求めているのでしょうか?
私は大混雑の展覧会しか知らないので、まぁ一同に揃ったものを拝見するんだからあんなものだと思って拝観させていただきました。
ただ、どんな人出であろうとあの奈良公園の雰囲気は、私の知っているままで嬉しかったです。
投稿: 桜桃 | 2009.11.04 13:12
桜桃さん
ただ今帰りました。ネット環境になかったので、お返事が遅れてごめんなさい。
∥人がそれだけ何かを求めているのでしょうか?
うーん、そうなんでしょうか。涼には、単なるブームのようにしか見えないのですが。
いずれにせよ、年取ったのは自分だけで、悠久の時を経た阿修羅はそのままでいらっしゃいました。
投稿: 涼 | 2009.11.06 22:31