森村誠一【海の斜光】
森村 誠一著
税込価格: ¥560 (本体 : ¥533)
出版 : 光文社
サイズ : 16cm / 275p
ISBN : 978-4-334-74699-5
発行年月 : 2009.12
一人息子を事故で喪い、妻にも先立たれた作家の成田正隆。妻の故郷・佐賀への旅で知り合った、妻と同じ雰囲気を持つOL・有紀が水死体で発見され、成田は有紀の妹・優香と事件の真相を探り始める。表題作ほか2編収録。
全3編の内、2編が佐賀県を舞台にしている。
幾つかの事件を出し、やがてそれらが結びついていくのは、いつもの森村流だ。
ただ、表題の【海の斜光】では、ややその偶然性が強すぎるような気がする。(後述)
長崎本線から見える佐賀の風景については、いつぞや「はやぶさ」の車窓から感じたのと同じようで、懐かしかった。
いまやブルトレには乗れないが、のんびりと訪れたい場所だ。
もう一つも、佐賀が舞台。
七つ釜については、誰かの作品でも取り上げていたっけ。
最後のどんでん返しが、あざやか。
【華やかな郷愁】は、熱海を舞台に、ここで一見穏やかに暮らす人たちと、その中にもあるドロドロしたものが引き起こした殺人事件を描く。
それでも、キラキラ輝く海を見ながら余生を過ごせたらいいなぁと、思わせる。
以下、【海の斜光】について。ネタバレあり。
成田の妻と浮気相手が乗っていた車が、息子をはねた。自責の念に駆られた妻は、自殺する。
その浮気相手は、また佐賀で殺された有紀ともつきあっていた。
父親の反対を押し切って佐賀から上京していた女性は、成田の息子とつきあっていて、ひき逃げ現場に遭遇する。
彼女は成田の妻の浮気相手に自首を勧めて、殺される。
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ドラマ「海の斜光」(14.11.07)
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コメント
お久しぶりです とある図書館でデージー教えて頂いたものです
新刊案内のテープ作りの為の検索中にまたまたこのページにお邪魔しました あれから お蔭様でデージー図書三冊仕上げることが出来ました 現在も浅田次郎の本の編集にとりかかっております 少し自信がついてきました 本当にお世話になりました
投稿: おちゃともさん | 2010.02.09 00:36
おちゃともさん、コメントをありがとうございます。
うーん、どこでお会いしたかなぁ。南の方ですか?
ごめんなさい、もう少しヒントがあれば嬉しいのですが。
投稿: 涼 | 2010.02.09 10:57