東野圭吾【新参者】
東野 圭吾著
税込価格: ¥1,680 (本体 : ¥1,600)
出版 : 講談社
サイズ : 20cm / 348p
ISBN : 978-4-06-215771-1
発行年月 : 2009.9
江戸の匂いも残る日本橋の一角で発見された、ひとり暮らしの40代女性の絞殺死体。彼女に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。
これまでの東野作品とは、少し変わっている。
帯には、
「こんなことがとある。
出来ればいいなと思った。
でも出来るとは
思わなかった」
東野圭吾
それが本書の形を意味しているのかどうかは、判らない。
だが、一つの事件を軸に、周辺の人とのエピソードをオムニバス風につないでいく手法は、成功していると思う。
同じく帯に、
着任したての刑事・加賀恭一郎の前にたちはだかるのは、とあって、加賀が人情でつながった人たちのガードに苦労する話かと思った。
人情という名の謎。
しかしそれはまったく反対で、一つ一つの家庭の事情を加賀があぶり出していく中で見えてくる『人情』なのだった。
読み進める内に、ひょっとしたら犯人などいないのではないか、殺人そのものが嘘だったのではないかとまで思えてくる。
そんな中、加賀の捜査は着々と進む。
コロンボ張りの聞き込みを重ねて行き、最後は捜査一課の刑事の人情までをも狩り出して、真相に迫るのだった。
いやー、かっこいいです>加賀さん
その一課の刑事上杉に
「あんた、一体何者なんだ?」
と聞かれて答える、最後の決めゼリフ!
「何者でもありません。この町では、ただの新参者です」
一つ一つのエピソード(内容)については、別記事にて。
新参者
2009年9月18日第1刷発行
10日追記
ぶんぶんさんの今年最初の読書は「新参者」と、
Tompeiさんの『新参者』(東野圭吾)に、
トラックバックさせて頂きました。
20日追記
半兵衛さんの、新参者(東野圭吾/講談社)に、トラックバックさせて頂きました。
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コメント
文庫本になるのを待っていようかと思っていたのですが、評判がいいのでとうとう我慢できずに購入して今日読みました。TBさせていただきました。
投稿: ぶんぶん | 2010.01.09 21:30
TBありがとうございます。
オムニバス形式がうまくまとまっていますよね。
家族の絆や下町の人情をテーマにしている点は宮部作品にも通じるところがあります。
かっこいい加賀さん、涼さんはどんな俳優をイメージしましたか?
投稿: Tompei | 2010.01.09 23:52
ぶんぶんさん、おはようございます。
そう、いつもだと文庫化待ちなのですが、この本は発売早々買いました。
はい、加賀さんファンですから(笑)
投稿: 涼 | 2010.01.10 10:23
Tompeiさん、おはようございます。
実は本書の加賀さん、これまでと少し違う印象もするのです。
学生時代の加賀に出会って?惚れ込み、以来教師時代やかなり進んだ恋愛経験も経ての、ちょっと老成した感じがしないでもないですね。
俳優のイメージですか?
若い人を殆ど知らないから。まぁ、時代をさかのぼれば意中の人はいるのですけれど……
投稿: 涼 | 2010.01.10 10:26