山前譲編【ねこ!ネコ!猫!】
ねこ!ネコ!猫! NEKOミステリー傑作選
山前 譲編
税込価格: ¥620 (本体 : ¥590)
出版 : 徳間書店
サイズ : 16cm / 381p
ISBN : 978-4-19-892873-5
発行年月 : 2008.10
収録作品は、
赤川 次郎【保健室の午後】
加納 朋子【共犯関係】
倉知 淳【猫と死の町】
黒崎 緑【見えない猫】
小池 真理子【共犯関係】
柴田 よしき【光る爪】
仁木 悦子【一匹や二匹】
元々、【一匹や二匹】を再読しようと思って購入した本。
子供探偵が出てくる、短編として良くできた作品だ。
【保健室の午後】は、お馴染み三毛猫ホームズなのかな? あれは女子高校生に飼われていたのではなかったのか?
いずれにせよ、登場人物が少なすぎて、範囲が限定されるのが残念。
【猫と死の町】は、途中で読む気がしなくなって、ストーリーだけ追っていった。この著者の長編も一つだけ読んだことがあるが、あまり好きになれなかった。
面白かったのが、初めての作家、黒崎みどりの【見えない猫】だ。
ペットシッターの「私」は、奇妙な依頼を受ける。
依頼主は、愛猫の死を受け入れることの出来ない妻を旅行に連れ出す有名人の夫。妻はネコが今も生きているかのように振る舞っているという。その留守中に、妻がしていたのと同じ世話(食事・トイレ・ベランダでの遊びなど)をしてくれというのだ。
仲介してくれたのは、その妻の友人で「私」の顧客である女性。手抜きをしない堅実な仕事ぶりを評価されてのことだったが…… という話。
夫妻は無事旅行に出たのだが、帰国してすぐ、妻はベランダから落ちそうになったネコを助けようとして自分が落ちてしまう。
だが警察の話では、彼女は実はネコ好きではなかった。
途中で「私」は真相に気づくが、それを誰に話すこともしない。
そしてラストは、殺されたネコの怨念のせいか、ちょっとした怪談話になっていた。
著者は同志社大学のミス研出身のようだ。他の本も、読んでみよう。
本書の表紙が、またいい。
ねこ!ネコ!猫!
2008年10月15日初版
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