内田康夫【イーハトーブの幽霊】
内田 康夫著
税込価格: ¥580 (本体 : ¥552)
出版 : 中央公論新社
サイズ : 16cm / 304p
ISBN : 4-12-203522-8
発行年月 : 1999.11
浅見光彦は花巻祭りの取材で、花巻市にやって来た。が、祭りの高揚感に包まれる中、賢治ゆかりの地で2人の男が殺され、血塗られた童話の幕があく。雨ニモ風ニモマケズ、浅見は“幽霊”を追うが…
小樽駅前の本屋で購入。
宮沢賢治への評価は、二つに分かれる。と言い切ってしまうのは、無理があろうか。
本書は、イジメ問題を絡ませつつ、賢治への「見立て殺人」を織り込んだ殺人事件。
いつものように浅見の素性が知れるのだが、それは警察の上層部にだけで、行動を共にする若い部長刑事には判っていない。何故上司が急に浅見を優遇するのか判らない現場の刑事は、戸惑い反発しながら事件の解決に当たる。
また、犯人が不要に漏らしたひと言が、結果的に浅見も気づいていなかったヒントになってしまった。
これがなければ、もしかしたら事件は解決していなかったかもしれないほど重要な「ことば」だったのだ。
テーマが重たい故か、あまりスッキリ解決という印象は持てなかった。
本書を読むには、岩手弁が堪能でないと無理だな。
イーハトーブの幽霊
2004年7月20日初版第1刷発行
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