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2010.06.25

内田康夫【龍神の女】

龍神の女

龍神の女内田 康夫著
税込価格: ¥630 (本体 : ¥600)
出版 : 祥伝社
ISBN : 978-4-396-33580-9
発行年月 : 2010.6
利用対象 : 一般

和歌山県の山深くにある竜神温泉。その途中の山道で車の転落事故があった。それが事件の発端だった…。表題作で活躍する熟年夫婦を始め、著者が生み出した5人の名探偵が5つの事件に立ち向かう。


表題作の探偵役は、【湯布院殺人事件】だったかに登場した、法律学者の夫とその妻だと思う。
表紙絵は、舞台となった龍神温泉だろうか。これまで何冊かの同書の刊行本の中で、一番いいと思う。
こういう景色は、やはり忘れがたい。ただし、収録作品との直接の関連性はない。
2年ほど前に書いた鉄路に咲く物語(08.05.22)も、同じ理由で好きな表紙だ。

さて内田康夫と言えば浅見光彦(あるいは信濃のコロンボ?岡山の誰だっけ?)という節もあるが、本書は5人の探偵を登場させている。
しかも、珍しく短編集である。

その内の何編かが、現代怪談話の趣がある。


【龍神の女】は、筋立ては面白いのだが、結末が今ひとつ単純な気がする。


【鏡の女】は、幽霊が怖い浅見光彦青年の物語。但し彼の活躍は殆どなく、被害者の友人がそれと知らずして復讐を成し遂げた話。

【少女像は泣かなかった】では、車いすの探偵登場。仁木悦子さんと、彼女の生み出した探偵仁木悦子をミックスしたような感じかな?

上記2篇と最後の作品は、いずれも不幸な結婚をした女性が被害者だ。


【優しい殺人者】では、また風変わりな警部が出てきて、安楽イス探偵を務める。

著者の解説によると、モデルは岩城宏之さんだという。かなり失礼な設定のような気がするが。むしろ、奥田英朗の伊良部先生を思い起こさせる容貌だ。


最後の【ルノアールの男】は、パソコン探偵が事件を解決に導く。勿論動き回るのは人間で、ここでは腕力だけが自慢の文字どおり私立探偵が主人公。だが、パソコンが主役だけに、小中学校の同級生で頭脳明晰・一流企業や役所に勤める友人たちも協力する。

出だしで少しズッコケたが、筋の運びは単純ながら面白く、「パソコン探偵もの」シリーズも変わった趣向でいいかもしれない。


だが全体に、短編故の制約のせいか、長編のようなドキドキ感は薄い。


龍神の女
タイトル


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