道尾秀介【ソロモンの犬】
道尾 秀介著
税込価格: ¥610 (本体 : ¥581)
出版 : 文藝春秋
ISBN : 978-4-16-777350-2
発行年月 : 2010.3
利用対象 : 一般
さっきまで元気だった陽介が目の前で死んだ。愛犬はなぜ暴走したのか? アイロニー溢れる筆致で「僕らの夏」を描く青春ミステリー。
初めての、作家。「光媒の花」で山本周五郎賞を受けられたというニュースを見て、読んでみたいと思っていた。
登場人物は、大学生の秋内と京也、ひろ子、智佳。
彼らの教師である、椎崎鏡子とその息子陽介。愛犬オービー。
それに、一風変わった動物学の教官、間宮未知夫。
ほんの数カットしか登場しないが、あとで重要な役割をもつ、秋内の祖父。
冒頭、大雨の中。
秋内は雨を避けて、近くの喫茶店に入る。
と、同じく雨にあったあとの三人も入ってくる。
喫茶店の裏には、三途の川が流れている。
ストーリーは、この喫茶店と秋内たちの入学以来の出来事を交互に展開させていく。
その中で焦点になっているのが、飼い犬に引っ張られて往来へ出て行き、車の下敷きになった陽介のことだ。
それぞれが屈託を持ち、他の三者に疑いの目を向けていることを恥じる。
そこへ彩りを添えているのが(実際にはむさ苦しい中年だが)、動物学が専門の間宮だ。
彼は、動物のみならず、人間の心理もよく解るようだ。もっとも、彼にいわせれば、人間も動物だからだが。
そして、クライマックス。
暗転して舞台は変わり、ある意味ハッピーエンドとなる。
たしかに、「してやられた」感はあるが、やや強引な感も否めない。
ソロモンの犬
2010年3月10日第1刷
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