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2010.07.18

柴田よしき【竜の涙】

竜の涙

竜の涙柴田 よしき著
税込価格: ¥1,575 (本体 : ¥1,500)
出版 : 祥伝社
ISBN : 978-4-396-63332-5
発行年月 : 2010.2
利用対象 : 一般

東京・丸の内の片隅に、ぽつんと暖簾をかかげる小料理屋。少しさびしそうな美人女将の手料理をもとめて、今宵もこころに疵を負った客が訪れる−。『小説NON』連載に加筆訂正をして単行本化。


同じ女将を主人公にした、【ふたたびの虹】の続編。
だが、今回はミステリー色が薄まって、代わりに料理がより具体的に紹介されている。

連載が始まったのが2008年で、東京駅近辺がまたも変わろうとし始めた頃?だった。すでに新丸ビルは完成していて、女将が入っているビルも、立て替えの対象になっている。
幾分安く入居できても、あとの維持は大変そうだ。また立ち退き料を貰って他所で新たに開店することも、エネルギーが要る。店をたたんで、恋人と一緒になるという選択も、今ひとつ踏み切れない。

今回は、そうした女将の屈託が呼び寄せるのか、人生の岐路に立った人たちが集まってくる。
丸の内で働くキャリアウーマンたちが、何故か男性諸氏よりも生き生きと描かれているように感じる。

表題作【竜の涙】から
【霧のおりてゆくところ】
【気の弱い脅迫者】
【届かなかったもの】
【氷雨と大根】
までが、月間「小説NON」に2008年1月から2009年1月まで連載されており、

最後の
【お願いクッキー】は、2002年の刊行に合わせて書き下ろされたもの。
連続ドラマの最終回でバタバタと片がついていくような、それまでのしっとりとした書き方とは少し違和感のある出来になっていた。ここで、女将は自分の生き方についても、選択をする。


「竜の涙」とは、その地で採れるミネラル水のようだが、郡上の祖父母の家の近くにも、山肌からの湧水が飲めた。まさに、甘露であった。

竜の涙
平成22年2月20日第1刷発行


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