憧れのハワイ航路
朝刊土曜版:うたの旅人
あれはいつ頃のことだったろう。
季節は、夏だったか、正月過ぎだったか。いずれにしても、日曜日のおひるどき。
ラジオからは、「のど自慢」が流れていた。
その頃、毎回何人もの人が唄う曲があった。
父が
「この曲の題名、知ってるか?」と、母に聞いた。母は知らなかった。
「あこがれのハワイこうろ」と、自分。
「ほー、よく知ってるな」と、父。
何人もの口から漏れた曲名を、何となく覚えていたのだろう。意味は解らぬながら覚えていたのか、今も一番は歌える。
父とは、生前あまり会話を交わしたことがない。これは数少ないその内の一つのような気がする。
自分が座っている左手が父で、その向かい側自分からは右手が母だった。
そうすると、自分の向かい側は妹のはずだが、何故かその記憶はない。
やはりその頃、妹はかなり大きな病気をしていたので、臥せっていたのやも知れぬ。
時折何かをきっかけに、昔の情景が思い浮かぶことがある。
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