内田康夫【津和野殺人事件】
内田 康夫著 (画像は徳間文庫のもの)
税込価格: ¥600 (本体 : ¥571)
出版 : 光文社ISBN : 4-334-70821-8
発行年月 : 1988.10
浅見光彦の母が殺人事件に遭遇! 光彦は母からの依頼で津和野へ向かうが…。
なぜか、88年刊の、光文社文庫。少々事情があるが、それは追々と……
おなじみ旅情ミステリーの、かなり初期のもの。
しかし、浅見青年はこの頃も今もあまりかわらない。精神的には、しだいに成長?していくような感も受ける。
津和野とキリスト教との関連については、遠藤周作の新聞連載小説で衝撃を受けた。
森林太郎が目撃した、預かりキリスト教徒の迫害について触れられていたのを思い出した。
本書も、そうした歴史を踏まえた、因習と信仰が相容れないところからきた悲劇を描いている。
登場人物の関係がやや錯綜しているが、それぞれ収まるべきところに収まっていく。
浅見光彦の言う「関係者の誤解から始まった」というのは、実感だ。
日本人は、あまり言葉にするのを潔しとせず、言外のことで理解して貰おうとしがちだ。上手く伝わればいいが、[誤解]されればとんでもない悲劇に結びつく。
特に古い歴史をもつ地方ならではの、こうした[誤解]は悲しい。
津和野は、観光で通過しただけだ。
またしても、ゆっくり訪れたいなどと、夢想してみる。
津和野殺人事件
2001/10/01 出版
2010/12/10 Reader™ Store発売
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