内田康夫【津軽殺人事件】
内田 康夫著
税込価格: ¥600 (本体 : ¥571)
出版 : 光文社
ISBN : 4-334-71334-3
発行年月 : 1991.6
利用対象 : 一般
(画像は中央公論新社のもの)
都内のホテルで弘前(ひろさき)の古書店主が殺された。殺人現場から消えた太宰治の肖像画はどこに? 遺(のこ)されたメモ“コスモス、無残……”の意味は? 名探偵・浅見光彦は津軽へとぶ。被害者が主宰した「『津軽』を旅する会」に事件の鍵があるとにらみ、参加者を訪ね、そのコースを辿る。蟹田(かにた)─金木(かなぎ)─五所川原(ごしょがわら)……そこには奇妙な証言の数々が! 津軽半島を旅情豊かに描く本格推理。
著者の旅情ミステリー 第10作目だという。
浅見光彦が出てきて、取材旅行に行く。
その先で起こる殺人事件(殺人事件が先でその結果「取材旅行」に行くというパターンもあるが)と、かわいらしいヒロイン。
いつもいつも同じパターンだと言えるが、それ故の安心感もある。
過激な描写は殆ど無いし、目的地についての蘊蓄も楽しい。
いや、時には重いテーマもあり、読後しばし考えさせられるものもある。
というわけで、一時はマンネリかと敬遠していた著者の本だが、最近さらっと読めることもあってかなり読んでいる。ReaderStoreの中でも、たくさんある方だろう(といっても、たった20冊だが)。
日本人が誰でも通過する、【太宰治】。その故郷が舞台だ。
コスモス、無残で思い浮かぶ 風景。 墨絵のような、葬列。
本書が書かれた頃はまだ旅館業もしていた太宰の生家「斜陽館」は、現在は太宰治虫記念館となっているようだ。
どれを読んでも、行きたくなって困る。
津軽殺人事件ル
1991/06/01 出版
2010/12/10 Reader™ Store発売
345ページ
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コメント
津軽に数ヶ月出張中、金木駅近くの旅館としての斜陽館最後の日にその前を通りました。偶然なできごとで、興味本位で見に行ったと言うのが本当の所です。
その後太宰の本を読む時に、土地勘が理解を助けてくれました。
投稿: 井上信治 | 2011.02.25 10:52
sine wave さん(井上さま)、お久しぶりです。
その土地へ行ったことがあると、作者の目線で読めますよね。
でも、次第に「古き良き時代」化していくのが、少し寂しいです。
投稿: 涼 | 2011.02.25 23:23