清水義範【青春小説】
清水 義範著
税込価格: ¥620 (本体 : ¥590)
出版 : 中央公論新社
ISBN : 4-12-204263-1
発行年月 : 2003.9
利用対象 : 一般
三億件事件の現場にタイムスリップた男たちを描く「三億の郷愁」、地方からおっかなびっくりに上京してきた青年を描く自伝的作品「灰色のノートから」収録。青春の愚かしさと喜劇性を巧みに描く。
清水義範【イマジン】で、著者はタイムスリップを使って、断絶しかかった父子関係を見事に修復させた。
今回は、何と あの「三億円事件」である。
犯人が挙がっていないことに目を付け、奇想天外な(しかし、もしかしたら「ありかな」という)物語を展開する。
いや、タイムスリップそのものがあり得ないのだから、奇想天外もなにも関係ないのだが。
二人が生きていた昭和55年も、タイムスリップ先の昭和39年も、共に懐かしい。
【イマジン】とは違って、現在を知っているが故の優位性から過去(昭和39年)をうまく切り抜ける、浅井と江藤の二人。
最後は、宮部みゆきの【蒲生邸事件】ともやや似通っていて、ほのぼのとした印象を受ける。
あと二編は、著者の自伝的作品だというが、これまた当時の青年の勇ましさと小心さが出ていて、懐かしく感じた。
青春小説
中央公論新社
2010/09/03 出版
2010/12/10 Reader™ Store発売
241ページ
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