有川浩【県庁おもてなし課】
有川 浩著
税込価格: ¥1,680 (本体 : ¥1,600)
出版 : 角川書店
発売 : 角川グループパブリッシング
ISBN : 978-4-04-874182-8
発行年月 : 2011.3
利用対象 : 一般
とある県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、地元出身の人気作家に観光特使就任を打診するのだが…。巻末には高知県庁に実在する「おもてなし課」職員と著者の鼎談を収録。
本書を読むまで、有川浩が女性だとは知らなかった。
そういえば、【阪急電車】では、若い女性の描き方がうまいなと思った。
本書は対照的に、とある(といっているがこれははっきり 高知県)県庁のおもてなし課職員掛川と、高知県出身のそこそこ有名な作家吉門の視点から物語が進められていく。
掛川には、民間の視点を取り入れよという吉門のアドバイスで採用された 加代が、
吉門には、元継父 清遠の娘 佐和が絡む。
この二組の男女の感情の機微を横糸にない交ぜながら、県庁おもてなし課の成長を描いていく。
やや軽めの職員 近森。
対して、職員の意見をくみ上げ、横やり等は自分が受けながら仕事を進めていく 課長。
おもてなし課の原点になったような、古い職員にはタブー的存在、佐和の父 清遠。
やや気になったのは、(そこそこ日は経過していくのだが)吉門の人格?の変遷ぶりだ。
色々気に入った箇所はあるのだが、
おもてなし課が作ったパンフレット(但し県内版)を見た吉門が
『空白の使い方がうまい』と言ったところ。
しかし、やはり 泣かせるよなぁ、この人。
最後に付け加えよう
そうだ、高知 行こう!
平成23年3月31日初版発行
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 仁木悦子【聖い夜の中で】(2025.03.27)
- 【本の雑誌 3月号】(2025.03.25)
- 江口恵子【普段使いの器は5つでじゅうぶん。】(2025.03.21)
- 堂場瞬一【英雄の悲鳴 ラストライン7】(2025.03.19)
- 篠田真由美【センティメンタル・ブルー】(2025.03.17)
コメント
わたしも”自衛隊”もの読んでいて、てっきり男性だとばかり思っていたら、先日どこかで写真を見て、妙齢の女性と知りました。実際、男というには微妙なところもあって、どっちなのかと思うときもあるにはあったのですけれど、なんとなく男なんだろうなあと思い込んでいた(思い込もうとしていた)ような。
一種独特のストーリーテラーではありますね。
投稿: ムムリク | 2011.04.26 09:42
ムムリクさん
はい、本書に出てくる小説家は、そのまま著者の分身と考えることも可能かと思います。
「自衛隊もの」って、面白いですか?
何となく敬遠していた「図書館戦争」を、読んでみようかと思っているのですが。
投稿: 涼 | 2011.04.27 19:42
わたしも二作読んだだけなのですけれど、なかなか面白いですよ。往年のウルトラマンとかウルトラQを思わせるような展開と、恋愛ドラマとが平行している感じで。
図書館戦争も文庫になったとでていたので、ちょっと気になりますね。
投稿: ムムリク | 2011.04.27 20:40
あ、「図書館戦争」文庫化されるのですね。
「ストーリー・セラー」ReaderStoreでも、出ています。
阪急電車に乗りに行きたいし、楽しみはいっぱいありますが……
投稿: 涼 | 2011.04.28 06:56