万城目学【プリンセス・トヨトミ】
万城目 学著
税込価格: ¥750 (本体 : ¥714)
出版 : 文藝春秋
ISBN : 978-4-16-778802-5
発行年月 : 2011.4
利用対象 : 一般般
このことは誰も知らない──四百年の長きにわたる歴史の封印を解いたのは、東京からやって来た会計検査院の調査官三人と、大阪下町の空堀(からほり)商店街で生まれ育った少年少女だった。
まず、登場人物の名前がふるっている。
東京からは、会計監査員の副長が、松平。
対して、大阪は空堀商店街でお好み焼き屋を営む、真田幸一。
彼の息子の幼なじみであり、幸一の幼なじみの娘である中学二年生の少女の名は、橋場茶子。
脇役として、私立中学の教師、長宗我部。
敵(かたき)役の、蜂須賀。
初めての作家である。
大阪出身で、京都や奈良を舞台にした小説を書いておられるという。
それはともかく、奇想天外な展開が素直に面白かった。
大阪人が全て太閤さん好きでも、常にボケやツッコミを入れたりしているわけでもない。
ましてや、大阪=吉本、なんかでは ない。
それやこれやを差し引いても、「まぁこんな話、あってもええんちゃうか」というところ。
ふざけすぎとの評価があるやもしれぬが、大阪流に許したってーな。
などと書いている自分は、正しくは大阪人ではない。
と、ここまでで物語の三分の二ほどなのだった。
で、ここからは一気に!
例の?大坂城炎上?からのハチャメチャな場面はぶっ飛ばすとして、しかしここでもまた登場人物の名前をば。
たとえば、前田・加藤清志・福島・宇喜多
たとえば、竹中丁兵衛・黒田孝一
たとえば、塙・小西・
そして、終盤。
予想範囲ではあるが、旭の意外な一面。
松平と父との関係。父の最後の希望あたりがやけに詳しいと感じたのだが、やはり伏線だったのか。
かなり笑える本書だが、サラリと大切な部分もある。別記事で触れてみたいとは思う。
プリンセス・トヨトミ
文藝春秋
2011/04/10 出版
2011/04/28 Reader™ Store発売
554ページ
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