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2011.05.29

奥田英朗【家日和】

家日和

家日和奥田 英朗著
税込価格: ¥500 (本体 : ¥476)
出版 : 集英社
ISBN : 978-4-08-746552-5
発行年月 : 2010.5
利用対象 : 一般

【柴田錬三郎賞(第20回)】ネットオークションにはまる専業主婦。会社が倒産し、主夫となる営業マン。夫と妻。ちょっとずれていて、でも愛情がないわけでなく…。ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。ビター&スウィートな「在宅」小説。


殆どが、なんということはない夫婦の物語。

子どもたちに手がかからなくなり、夫は仕事で忙しい。
そんな時、妻がネットオークションを始めた。しだいに生き生きとしてくる妻。

【サニーデイ】とは、その妻のハンドルである。


【ここが青山】は、会社が倒産し、妻が働きに出る夫婦。専業主夫になって料理も上達していく夫。それも案外いいものだと思い始めるが……

まさに、『人間至る所青山あり』、いい響きの言葉だ。


面白かったのが、妻が出て行ってがらんとした家を、しだいに自分好みにしていく夫を描いた【家においでよ】。若い頃からの趣味のオーディオセットまで揃えてしまう。
同じような環境の同僚が集まり、彼の家はさながら「男の隠れ家」になっていく。

最後は妻が遊びに来るのだが、この夫婦は元の鞘に収まるのかな?


夫と妻。いずれかがではなく、双方がちょっと我慢をしあっている日常。
その日常こそがかけがえのないものだと、あらためて思ったことであった。


家日和
集英社
2010/05/20 出版
2011/01/28 Reader™ Store発売
264ページ


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