大倉崇裕【福家警部補の挨拶】
大倉 崇裕著
税込価格: ¥819 (本体 : ¥780)
出版 : 東京創元社
ISBN : 978-4-488-47002-9
発行年月 : 2008.12
利用対象 : 一般
現場を検分し鑑識の報告を受けて聞き込みを始める頃には、事件の真相が見えている? おなじみ刑事コロンボ、古畑任三郎の手法で畳みかける、4編収録のシリーズ第1弾。福家警部補は今日も徹夜で捜査する
いわゆる「倒叙物」の一つ。コロンボや古畑任三郎も、それに当たる。
犯人の心理を先に出し、読者に犯行を知らしめる。
大抵は日が変わって、刑事たちの出動。
そこへ遅れて、探偵(刑事)登場。
本書の刑事さんは、小柄な女性である。
コロンボがおんぼろプジョーを揶揄されるように、女子大生のようなということで最初は警部とは見られない。
【最後の一冊】
【オッカムの剃刀】
【愛情のシナリオ】
【月の雫】
の四編からなっている。
本を何より愛している女性館長が登場する【最後の一冊】。先代のオーナーもまた愛書家で、彼女は尊敬していた。だが、後を継いだ息子は、図書館を閉鎖してもっと効率のいい商売を考える。
ここでの犯人の心情は、非常によく解る。
だが、福家が彼女を犯人だと判るのが、やや説得力に欠けるような気がする。
【オッカムの剃刀】は、福家のいわば上司にあたる元科研主任で今は大学教授が犯人。
しつこく追いかける福家に、『動機を探せ』と迫る。
低姿勢で応じた福家は、地道な調査でそれを突き止める。
やはり著者は、刑事コロンボが好きなのだという。
その分、少々パクリっぽい気がしないでもないが……
【最後の一冊】は、コロンボ【黄金のバックル】の美術館を図書館に置き換えたもの?というのは言いすぎかな。
【愛情のシナリオ】の被害者、「楽々クッキング」に出演している柿沼恵美って、「上沼恵美子のことでは?彼女も、何かクッキング番組をしていたのではなかったっけ?
連休中に、あれもこれも片付けておこうと思ってはいたのだが、いざ始まったら殆ど進んでいない。
うーん、困った。
本は一杯読んだが、これを書き留めるのがまた大変だ。いや、とにかく記録だけでもしておかなくては。
福家警部補の挨拶
東京創元社
2010/12/10 Reader™ Store発売
348ページ
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コメント
数年前正月に NHK でドラマ化されたのを見て、なかなかよかったのでした。続編を期待しているのですが、一向気配がありません(^^;
福家は永作博美が演じておりました。
投稿: ムムリク | 2011.05.06 09:10
ムムリクさん、おはようございます。
∥福家は永作博美が演じておりました。
そうでしたか、いい感じで合ってるでしょうね。
相変わらずテレビ事情に疎いです (-_-;)
福家ものも、シリーズなのかなぁ。
投稿: 涼 | 2011.05.06 11:03