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2011.08.27

落合恵子「孤独の力」を抱きしめて】

孤独の力】を抱きしめて

孤独の力】を抱きしめて落合 恵子著
税込価格: ¥1,400 (本体 : ¥1,333)
出版 : 小学館
ISBN : 978-4-09-388185-2
発行年月 : 2011.6
利用対象 : 一般

誰かと柔らかくつながるためにも、まずは孤独を抱きしめよう。すると「孤独の力」が湧いてくる…。孤独の「負の側面」ではなく、内面を耕し新しい酸素を鋤き込み深める力に光を当てて、「ひとりの時間」を明るく考える。


「明るく考える」というのとは、ちょっと違うような気がする。「前向きに捉える」と言い換えても、同じことだといわれるかもしれないが。

第1章は、孤独に対する設問から。

Q1:あなたは孤独ですか?
Q2:どんな時に孤独を感じますか?
Q3:孤独の解消法を教えて下さい。

いずれも一人暮らしの方たちへの質問かというと、そうでもない。著者がなさったアンケートのようだ。
孤独というのは、周りに何人人がいようと、大家族だろうと、感じる時には感じるものなのだろう。

「孤独はごちそう」だと言う、ずっと子育てと大家族の中で働くことが当たり前と思ってきた83歳がいる。
離婚経験を持つ48歳は、子どもが出来ないことが結婚生活を続けられない原因だった。しかし彼女は、「孤独は嫌いではない」と言い、将来のことは頭の隅に入れつつ、今を充実させて生きている。
そうした、孤独の数々が語られる。

第2章では、「孤独」と「孤立」は違うことを説く。

続く第3章では幾つかの例を挙げて、「孤独のイメージレッスン」を試みる。

そして第4章。これが一番心に残ったのだが、「負の孤独から解放されるために」と題して、「引きちぎりたい七本の鎖」を挙げている。

人数で測ること・普通を目指すこと・相手と同じでなければと思うこと等々。
こうした幾本もの鎖を引きちぎることで、孤独を受け入れることも耐えることも出来るのだろう。

第5章で方法論を示した後の第6章では、先人たちの孤独を紹介しつつ、最後の章では著者自身の日常(の孤独)との向き合い方を語る。

しかし、こうした重いテーマで終始している本は、読んでいる内に少々苦しくなってくる部分もある。

そう、孤独を感じようが感じまいが、それこそ人それぞれ。孤独が嫌で常に誰かと一緒にいたいなら、それはそれでいいではないか。

「孤独の力」を抱きしめるとは、まさにそういう生き方をも否定しない(うらやましがらない)ことなのだから。


次の日に人に会う時は避けつつも、一人だからこそ号泣できる夜もあろう。各々が孤独を抱きしめつつ、互いをいたわり合いながら何気なく日常を送る家族もある。


孤独の力】を抱きしめて
2011年6月29日初版第1刷発行


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