西村京太郎【十津川警部 裏切りの街 東京】
西村京太郎 著
税込価格: ¥1,365 (本体 : ¥1,300¥660 (本体 : ¥629)
出版 : PHP研究所
ISBN : 978-4-19-893116-2
発行年月 : 2010.2
利用対象 : 一般
尿管結石で病院に運ばれた十津川警部の妻・直子は、好奇心から病院を探検。立入禁止の札の向こうに、500と書かれた病室を見つけ…。「特別室の秘密」他、警視庁捜査一課・十津川班の刑事たちの活躍を描くアンソロジー。
上記紹介作 といった、いかにも都会的?な事件が続く。 病院の特別室を見つけた十津川夫人は、なかなか好奇心旺盛だ。 だが、いくら何でもこれはないだろう。 【一日遅れのバースデイ】 これは、保険金詐欺の話。【ラストマネー】の向島だったら、きっと見抜いていただろう。 事業がうまくいかなくなっていて「遺産はない」というのが、鍵である。 【野良猫(のら)殺人事件】では、なんと現職の刑事が容疑者の車に自分の車をぶつけて、警察沙汰にする。 【死体の値段】は、面白かった。 とっさに考えたとすれば実に頭のいいやり方だが、この辺が少し疑問だ。 まだ喫煙者の方が多く、禁煙車は乗客が少ないという記述がある。
【特別室の秘密】の他、
【一日遅れのバースデイ】
【野良猫(ノラ)殺人事件】
【死体の値段】
【滋賀乗り入れて来る】
その好奇心が暴き出した、犯罪。
自殺と見せかけて父親を殺そうとしたが、保険へ入った日の関係で、保険金が支払われなくなる。それを知った犯人たち(実の子どもたち)が、誕生日を一日ずらして祝った形にしたというもの。
そのすきに、同情していた女性刑事が、掃除機で車の中からネコの毛を採取するというもの。
ホステスが、突然死したパトロンを使って、一儲け企む。
誘拐されたことにして、資産家であるパトロン(の息子夫婦)から身代金を取る算段をするのだ。
身代金を入れるバッグを指定するあたりで、オヤッと思わせられる。
最後の【死が乗り入れて来る】は、鉄道ミステリーだ。
東京近郊の列車は色で区別すると言うが、それをも利用した、なかなか面白いトリックだった。
十津川警部 裏切りの街 東京
2010年2月15日初版
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