阿部昭【短編小説礼賛】
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阿部 昭 著
税込価格:
出版 : 岩波書店
ISBN :
発行年月 :
利用対象 : 一般
つれ合いがテレビで出会った本。欲しがっていたが既に絶版で、定価は480円なのに古書としては5千円を超えるものもある。
ネット古書店というのには、初めて遭遇した。
それほどの本ならばと、図書館で探す。放映された直後だったが、意外やスンナリと借りることが出来た。
なるほど、話は面白い。
本書でもやはり、チェーホフの
作家の仕事は問題を解決することではない。この人生をただあるがままに描くことだ。を引用している。
短編の中にこそ、あるがままの人生の断片が盛り込まれていると言えようか。
高校時代に、雑誌の付録だったか、短編ばかりを集めたものがあって非常に面白かったのを思い出した。この辺りからも、自分の本好きが募っていったのではないかとも思う。
モーパッサンの【脂肪の塊】とも、このとき出会ったのではなかったか。で、モーパッサンで言えば、あまり好きにならなかったという後遺症を残した(苦笑)。
こうした数多の名作をあらためて眺めてみると、単に言葉の羅列をしただけのような本を読むのは止めて、言葉の美しさ・そこに込められた淡々とした作家からのメッセージが伝わってくるような本を読んでいきたいと 思ってはみる。あと何冊読めるか、そろそろ視野に入れる頃かもしれぬのだ。
本書の「後記」にある。
願わくは、読者各位が今一度新鮮な目と心でじかに原作の本文に触れなおされんことを。と。
紹介されているのは、
森鴎外
【山椒大夫】
モーパッサン【聖水番】
ドーデ
【アルルの女】(【水車小屋だより】)
【二軒の宿屋】
田山花袋【東京の三十年】
国木田独歩【春の鳥】
【巡査】【帽子】【号外】
【忘れ得ぬ人々】
国木田独歩 翻訳【糸くず】
ルナール
【にんじん】
菊池寛は、中学時代によく読んだ。
【藤十郎の恋】
【俊寬】
【入れ札】
【身投救助業】
【半自叙伝】
古今亭志ん生
【文七元結】
志賀直哉
【剃刀】
チェーホフ
【いいなずけ】
他、多数。
当日追記
こうして書いている短文にさえ、誤記が多い。
書くことにも、乱暴である。
ああ!読書三昧、「少ない言葉で思いを書く」という生活は、果たしてやってくるのか?
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1986年8月二十日第1刷発行
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コメント
1986/8の黄色がすでに絶版(建前としては品切れ重版未定)なのですねえ。
1998に一度重版されているようなので、ブックオフあたりだと200円程度のようです(^^;在庫の有無が問題ですけれど
確かに文章としてすぐれた作品をもっともっと読まなくては、あるいは読みたいなあというのはあるのですが、なかなか果たせないですね。
駄目だなあ>自分
投稿: ムムリク | 2012.01.18 10:37
ムムリクさん
「スキマ時間にチャチャッと読む」等という日常では、とうていじっくり読書とはいかず……。
新刊紹介が出れば、ついついそれに乗せられてという有様です。
投稿: 涼 | 2012.01.18 10:56